障がい者割引って鉄道にも使えるみたいだけど、どれくらい割引が効くんだろう?
というお悩みがあるでしょう!
というわけで今回はナースのワタシ事にゃももが鉄道における障がい者の割引に関する解説をしていくよ!
今回の記事では
- 障がい者割引の制度について
- 障害者割引のメリット・デメリット
- 対応する会社の対応【一部紹介】
をテーマに解説していきます。
交通機関における障害者制度は2つ
まず交通機関において、障害者の種別はおおきく2つあるの!
本人の障がいにもよるから一概に言えないけど、だいたいは重度の障がいを持つのが第一種で、軽度は第二種の2つ。
この2つは基準は何が違うのかな?
第一種は介護がいないと日常に困難をきたす、第二種はそれ以外で、ある程度サポートすれば日常生活は送れるところ。
鉄道で言えば、基本的に一人で電車に乗れるか乗れないかの感じの水準と思えればいいかなと
そのため、第一種では第二種に比べ、より障がいに関する手厚いサポートがつく。
というように第一種と第二種ではこういった特徴がある傾向があります。
第一種対象者
第一種対象者は、以下の通りの対象になります。
- 視覚障害者:1~3級、4級の1
- 聴覚障害者:2~3級
- 肢体不自由(上肢):1級、2級の1~2
- 肢体不自由(下肢):1~2級、3級の1
- 肢体不自由(体幹):1~3級
- 肢体不自由(上肢機能):1~2級
- 肢体不自由(移動機能):1~3級
- 心臓機能障害:1~4級
- じん臓機能障害:1~4級
- 呼吸器機能障害:1~4級
- ぼうこう又は直腸の機能障害:1~3級
- 小腸機能障害:1~4級
- ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害:1~4級
第一種対象者は、障害者割引や介助者同伴割引などの優遇を受けることができます。
第二種対象者
第二種対象者は精神福祉手帳、第一種対象者を除いた方を指します。
- 上記に当てはまらないそれ以下の身体障害者
- 療育手帳のうちB判定でかつ東京では3~4度を持つ方
第二種対象者は乗り物にもよりますが、鉄道の場合は障害者割引の優遇を受けることができます。
鉄道の障害者割引のメリット
障害者割引においてのメリットは1つあります。
運賃が安くなる(大半は100km以上)
このメリットを知らないとめっちゃ損だよ~!
健常者でも障がい者も関係なく最低でも知っておきたい知識の一つ!
鉄道会社にもよりますが、一般的に単独乗車すると100km以上で半額になったり
第一種の場合は距離に関係なく本人だけじゃなく介護者まで半額になることもできます。
2人分が1人分になるのか…!
本来ならば、1人で行けるはずが、介護がないと行けないから、倍もかかる出費を免除するために導入されているんだ
なお、これは旅行のために前提で普通乗車券のみしか解説しませんが、他にも回数乗車券や定期券なども割引が適応する場合があります。
障害者割引のデメリット
障害者割引においては4つのデメリットが生じます。
購入の手続きがめんどくさすぎる
まず、障害者割引で言える明らかなデメリットとして、購入手続きがとにかくめんどくさすぎるでしょう。
基本的に手帳は携帯をするのはもちろんですが、買うための手続きとしていちいち駅員や窓口の方に確認しなければできないので非常にめんどくさいです。
あんまり金額的にみていればその手続は時間単価的に高くない…
せっかく割り引いても買うためにわざわざ駅まで出かけるのは時間の無駄。
手帳を取り出したりの確認をしたら結構な時間を食ってしまいます。
正直500円ぐらいしか変わらないんだったら、そのまま正規で乗ったほうが特だったりするよ
基本原則運賃だけ
2つ目は障害者割引はあくまでも乗車券だけしか割引が適応されないこと。
いわゆる特急券とかは「贅沢は対象外」ってこと
障害者割引が導入された背景には健常者よりもお金がかかりやすく収入が安くなりやすい障害者の救済として必要不可欠な乗車券には補助を適応するが、贅沢といえる特急券や新幹線の指定席券などは適応されません。
最近ではチケットレスと言った楽チンで特急と乗車券がペアになった切符が発売されていますが
前述の通り、障害者割引を適応するには乗車券はいちいち手帳を確認をしなければいけない窓口までのいくための面倒さと時間単価、特急券は贅沢なので対象外、なのでそれぞれ安く買うには別々に買う必要があるわけですが
管理がとてつもなくめんどくさい!
正直に行ってしまえば自力でお金を稼げてしまう(会社以外でお金を稼ぐ)なら、この方法はあんまりお得じゃないです。
やっぱね…見ている限り時間単価のコスパが悪すぎるんだよな…コレ
会社によって対応が異なる
最後は障害者割引はすべて対応しておらず、各社対応が異なること。
これは鐵道に限らず、バスやフェリー、飛行機も同様ですが、対応したりしてなかったり、条件があったりで覚えるのがめんどくさいです。
一般的には第1種は「介護者と一緒であれば距離関係なく半額」、第2種は「本人のみだが100km以上半額」、精神障害者は「不可能」とおぼえておければ問題ないですが
会社によっては「精神障害者」に対応したり、そもそも障害者割引適応してない場合もあります。
なのでよく乗る鉄道会社に絞って覚えておけばとりあえずOKです。
全部覚えるのはしんどいので身近だけでOK
他の割引と併用できないことが多い
障害者割引は他のお得な割引きっぷと併用することができないことがほとんどです。
ホテル宿泊等の総額では障害者割引よりもセット割引の方が割安だったりすることがあるので、かならず総額を確認しておきましょう。
鉄道会社による対応
共通として必ず「手帳」は携帯すること!
コレ忘れたら不正になるから気をつけてね!
不正乗車すると3倍の運賃を取られるから要注意な!(JRの場合)
1000円の乗車券だったら3000円も取られる
不正乗車ゼッタイダメ!
各社対応
各社の割引の対応は以下のとおりです。
※購入方法は会社によって異なるが、この記事には記載しない
なお、わかりやすくするため、第1種は(身体の対象者、知的のA)、第2種は(身体それ以外、知的のB)、精神障害者(1級ならび2・3級)として区分します
会社 | 各種割引条件 |
---|---|
JR各社 | 第1種・第2種ともに単独では本人半額だが100km超える必要あり 第1種は介護者がいる場合は距離関係なく介護者も半額 |
東武 | 第1種・第2種ともに単独では本人半額だが100km超える必要あり 第1種は介護者がいる場合は距離関係なく介護者も半額 |
西武 | 第1種・第2種ともに単独では本人半額だが50km超える必要あり 第1種は介護者がいる場合は距離関係なく介護者も半額 |
東急 | 切符による単独では第1種・第2種ともに東急線とJR線(東日本旅客鉄道株式会社)との連絡運輸範囲内に限って100km以上を超えていく必要あり ICカードでは第1種・第2種ともに手帳掲示もしくはミライロIDを使用することで適応できるが、直通先に応じて割引となる(東武では100km以上、西武では50km以上、メトロは100km以上) 精神障害1級ならびに第1種は介護者つきの場合は距離関係なく半額を適応 ※精神障害者の場合は東急線内に限る |
東京メトロ | 第1種・第2種ともに単独では本人半額だが100km超える必要あり(他鉄道も直通も適応可能) 第1種は介護者がいる場合は距離関係なく介護者も半額 |
都営 | 身体の場合は第1種が介護者つきで介護者とともに距離関係なく半額 知的の場合は東京都が発行するに限り愛の手帳を所有者の場合は第1種・第2種とともに距離関係なく一律半額 それ以外の知的の場合は介護者つきで介護者とともに距離関係なく半額になるが単独は対象外 |
京成 | 第1種・第2種ともに単独では本人半額だが100km超える必要あり(他鉄道も直通も適応可能) 第1種は介護者がいる場合は距離関係なく介護者も半額 |
京王 | 第1種・第2種ともに単独では本人半額だが100km超える必要あり(他鉄道も直通も適応可能) 精神障害1級ならびに第1種は介護者つきの場合は距離関係なく半額を適応 ※精神障害者の場合は京王線内に限る |
秩父鉄道 | 自社線に限り単独乗車では精神障害者も含めすべての3大障害者に対し距離関係なくすべて半額 自社線に限り精神障害1級ならびに第1種は介護者つきの場合は距離関係なく半額を適応 ただし、単独乗車、他社線との絡み(東武や西武、JRなどの乗車)がある場合は100km以上が適応される。 |
北総鉄道 | 第1種・第2種ともに単独、介護者での利用の場合は距離関係なく半額 なお、北総鉄道の厳密の営業は「京成高砂~印旛日本医大」となるため、成田湯川以降のスカイアクセス線の場合は京成の障害者に適応されるので注意 |
小湊鐵道 | 第1種・第2種ともに単独と介護(第1種のみ)とともに距離関係なく割引可能 |
京急 | 第1種・第2種、ともに単独では本人半額だが101km超える必要あり(他鉄道も直通も適応可能) 精神障害1級ならびに第1種は介護者つきの場合は距離関係なく半額を適応 ※精神障害者の場合は京急線内に限る |
名鉄 | 第1種・第2種、精神障害者ともに単独では本人半額だが100km超える必要あり(精神を除き他鉄道も直通も適応可能 ※小牧線の直通先の名古屋市営に限りは精神も含まれるが詳しくは各種相談すること) 精神障害1級ならびに第1種は介護者つきの場合は距離関係なく半額を適応 ※精神障害者は2024年3月16日より対象となる。 |
名古屋市営地下鉄 | 第1種・第2種、精神障害者ともに区間ごとの割引がある。 直通先の名鉄の路線も2024年3月16日から精神障害者も対象になるため各種相談してみること |
近鉄 | 第1種・第2種、精神障害者ともに単独では本人半額だが101km超える必要あり(精神を除き他鉄道も直通も適応可能 精神障害1級ならびに第1種は介護者つきの場合は距離関係なく半額を適応 |
京阪 | 第1種は介護者つきに限り、本人は大人が半額、子供は無料、介護者は一律で半額になる 第2種、精神障害者はなし ただし単独乗車の場合はJR西日本を通すのに限り101km以上で半額適応できる |
阪急 | 第1種は介護者つきに限り、一律で介護者も本人も半額になる 第2種、精神障害者はなし ただし単独乗車の場合は101km以上で半額適応できる |
阪神 | 第1種は介護者つきに限り、一律で介護者も本人も半額になる 第2種、精神障害者はなし ただし単独乗車の場合は101km以上で半額適応できる |
南海 | 第1種・第2種、精神障害者ともに単独では本人半額だが100km超える必要あり(精神を除き他鉄道も直通も適応可能 精神障害1級ならびに第1種は介護者つきの場合は距離関係なく半額を適応 なお、南海フェリーも同様として鉄道営業距離として含まれ、合算可能 |
大阪メトロ | 第1種・第2種、介護者つきに限り、一律で介護者も本人も特別割引運賃として半額が適応できる |
山陽電車 | 第1種・第2種ともに単独では本人半額だが100km超える必要あり(他鉄道も直通も適応可能) 第1種は介護者がいる場合は距離関係なく介護者も半額 |
広島電鉄 | 第1種・第2種、精神障害者ともに単独では一律半額(子供は対象外) 加えて、精神障害1級ならびに第1種の介護者は2人までに限り無賃となり、かつそれ以外でも小学生以下が一緒に乗車する場合でも無賃となる |
西鉄 | 第1種・第2種、精神障害者ともに距離関係なく半額が適応できる。 加えて、精神障害1級ならびに第1種は介護者も半額適応できる |
精神障害者は法律的に現状対象外
そういえば、精神障害者はほとんど入っていなかったみたいだけど、これは法律的に基本的に対象外なのかな?
あー…現状の法律ではね…
身体障害者および療育手帳では基本的に判定が認められる場合の全員に種別ごとの処遇を受けることができますが、精神障害者においては現状の法律ではそのようにはなっていません。
表を見てもらうとわかるけど、最近は私鉄各社は精神障害者に対しての割引する会社も増えてきたけど
肝心のJRがまだ未導入ね…(2024年1月現在)
ということから、区間の半分以上の路線では精神福祉手帳を使うことができません。
なので、旅行とかで出かける際は精神とどれか1つがある場合は精神ではなく上記の2つの手帳をもっていくことをおすすめするよ!
詳しいことは「精神障害者の鉄道割引はない?」にて解説しているのでそちらからどうぞ!
まとめ
今回は鉄道における障害者割引について解説をしていきました。
障害者割引におけるメリットは
- 半額割引ができる、一部のところは距離関係なく割引が適応できる
というように健常者とはことなり半額で乗車をすることができます
一方で障害者割引における注意点とデメリットは以下の通り。
- 身体/知的と精神障害者の立場は完全別扱いで精神は対応してない会社も割とある
- 基本的には他の割引と併用はできないことが多い
- 障がい者割引の購入手続きがかなりめんどくさいため、場合によっては割引しないほうが時間的に得な場合がある。
といったデメリットがあります。
このようにメリットとデメリットに気をつけてぜひとも障害者手帳を活かしておきましょう。
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